一般社団法人T-Engine プレゼンテーション

「TORIKKO Lite -今日から一緒にやりません?-」

10月15日(日)、一般社団法人T-Engineのメンバーによるプレゼンテーション「TORIKKO Lite -今日から一緒にやりません?-」をKOTELO(立山町芦峅寺)で開催しました。T-Engineは、学生のチャレンジ支援に特化した団体として、2023年7月に富山県内の大学院生らが設立しました。「失敗が存在しない世界を目指して」をビジョンに、学生の起業マインドの育成、事業を始める学生と起業家を師弟関係で繋ぐピッチイベントなどを行なっています。今回は4名の学生が、ビジネスプランを熱くプレゼンしました。

大学生が盛り上げる富山県内合同大学祭

(発表者:富山大学 平野匠人さん)
 大学生でWeb・広告デザインの会社を起業し、イベンターとしても活動している平野さんが提案したのは、県内の大学生が集まって開催する「富山県内合同大学祭」。地元企業に、株主や、学生の商品販売・開発の際のメンターになってもらい、「疑似株式市場をつくり、商品開発から販売までの流れを学ぶことができるビジネス体験型の大学祭をやりたい」と話しました。中高生向けの起業体験プログラムから発想を得たといい、合同で開催する理由については「(各校の学校祭は)予算や規約が厳しく、学生の自由度が低い」という学生の不満を耳にしたと説明。「祭りを通して学生との繋がりを強固にできる」「商売の本質に近いものを学んだ優秀な学生が会社に入ってくる」など、企業にとってもメリットがあることや、イベントの概要、今後の流れについても紹介。「株主やメンターになって、僕と一緒に大学祭を盛り上げてほしい」と参加する経営者らに呼びかけました。

勉強が好きになるようなツールを開発したい

(発表者:富山県立大学 鈴木空さん)
人の心を動かすようなワクワクするようなものをつくるのが好きという鈴木さん。人生で唯一ワクワクしなかったものが「勉強」だと言い、当時やりたかった「ゲーム」を掛け合わせて「勉強をゲームにしたら面白いのでは」と発案。ただ勉強をゲーム化するのではなく、ゲーミフィケーションの考え方を取り入れるなど、さまざまな工夫を盛り込むことで「勉強の面白さを引き出せるツールになる」と説明しました。現在は大学のゼミの時間を使い、仲間を巻き込みながら開発準備を進めている段階で、「ぶつかった課題がマネタイズ。広告収入や有料プランも考えたが、いまいちピンときていない。こんな方法があるというアイディアがある方や、興味を持ってくださった方とお話できると嬉しい」と話しました。

社長向け栄養コンサルティング

(発表者:富山短期大学 堀田安友花さん)
 富山短期大学で食物栄養を専攻している堀田さんは、忙しい経営者の代わりに栄養について考える「栄養コンサルティングがしたい」とプレゼン。提案の背景について「経営者から『家族や会社のために長生きしたいけど食事に手をかける時間がない』、『飲み会続きで不健康に感じる』といった悩みを耳にする」と話しました。栄養コンサルティングとして提案する食事内容の具体例も紹介。筋肉をつけたい経営者にはタンパク質が多くとれるような献立を提案するなど、「その人に応じたパーソナルなアドバイスをして、健康をサポートしていきたい」と意気込みました。加えて「1年間に10人の経営者に栄養コンサルティングをしたい。またその経験を生かして、最終的には富山に栄養相談所をつくりたい」と今後の展望を語りました。

製造業の業務を効率化させます

(発表者:富山県立大学大学院 寺田和真さん)
富山県立大学大学院の榊原研究室に所属し、ベストな意思決定を導き出す手法「数理最適化」を研究している寺田さん。富山県は製造業が盛んなこともあり、製造業の業務効率化に多く取り組んできたといい、「生産性を向上させるという観点が一致していて、製造業と数理最適化は相性が良い」と解説。これまでに数理最適化を適応した事例として、「積載業務」「配送計画」「生産スケジュール」の3つを紹介しました。また、実際に研究を進めるなかで「製造業で働いた経験がないので、どの業務にこの技術を適用するのが一番効果的なのかわかっていない」と自身の悩みを話し、「現場の声をヒアリングすることによって全体の業務を把握したい」と製造業関係者に協力を仰ぎました。

 4名の発表を終えて、会場で参加していた富山県の山室理事・知事政策局次長、Q0代表の林さん、ニューピース代表の高木さんから感想とともに激励の言葉が送られました。また、発表後は学生と参加者が交流する時間が設けられ、学生たちが発表したビジョンに対して、参加していた経営者らがアドバイスを行う場面もありました。